MENU

運営理念

自然園の理念

郡上八幡自然園は、キャンプを通じて、教育に貢献します。

 自然園に来てくださるのは、学校団体様の比率が大きいです。生徒さんたちは、先生や先輩たちから聞くお話から、自然園でのキャンプファイヤー・スタンツや、バンガロー宿泊などについて、いろいろな思いを巡らせ、想像をされて、数ある学校行事の中でも この野外学習(林間学校)をとても楽しみに待ち望まれることでしょう。

 私たち職員は、生徒さんやキャンパーの皆さんに安全に過ごしてもらえるよう、大きな危険にさらされないよう、日頃より自然災害と防犯への備えなど、裏方に徹しています。キャンプ場は、ホテルや旅館のサービスと違い、基本はセルフサービスの世界です。足りないもの、不便なこと、簡素で飾り気のないこと、もともとは”自然そのまま”の中で、他人によるのでなく自分で何とか工夫するいわば「空白」の生活領域を提供するものだと心得ます。

 この空白こそ、豊かな感性の育みに大切な要素なのだと、私も気がつけました。新しい「物」も「情報」もいくら集めても、私たちの心を心底満たす永続性は、ないものです。雑念に溢れた日常生活から、自分を(それから仲間とともに)遠離してみれる、なかなか貴重な場所ということです。

「不便」な環境だけれど、自然の中だと不思議に楽しい気持ちが心の中で湧いて来ます。同時に、人間が本来持っている不便から工夫する力、人とつながる力、自然の表象を読む力が刺激されます。人生を楽しめる「生きるチカラ」の育て場として、末永く、自然園が貢献できますよう、願っています。

代表取締役 三浦嘉門

自然園の沿革 (会長 三浦太門)                   
1961年(昭和36年)当時、八幡町観光協会が市街地近くで運営していたバンガロー20棟を譲り受け、現在の地へ運搬し、それに新築十数棟を加えてのオープンでした。

設立当時のバンガロー村
バンガロー建設風景

 その頃は、日本経済の成長期で、郡上地方へも都会の大手企業が、スキー場や別荘地、ゴルフ場等、私達には想像すら出来ない大金を投入し、大開発が行われた時代でした。郡上でも多くの人々は、それらの大開発を誇らしげに歓迎していました。
この様な時代の波の中にあって、親父は「これでは郡上は、都会の大資本に食われてしまう。」と嘆いていました。
そうかと言って、零細な私たちには、これらに対抗する手立ては何も有りません。


 そこで、私達親子二人で話し合い「如何にお金を積んでも出来ないもの、お金で勝負出来ないものを」との考えから、キャンプ場に、高額な施設に代わり寿命の長い大木を育てようと、将来に夢を託したものでした。私は25歳前後、親父は70歳近い年でした。
 親父は、一つの仕事を2代、3代かけて成すことは、素晴らし事ではないかと、己の年のことは一向気にせず、大木の木陰で、人々が楽しんでいる様を想像し満悦していました。
 その頃、我が家は山林用苗木作りを業としており、この地がメタセコイアの適地であることを知っていたので、植栽樹種はメタセコイアに決め、百数十本を植えました。その後挿し木で増し、今では実生が育ち増え続けています。


 それらの木は総て順調に成育し、40数年の間に、大きなものは胸高直径1mを越す木も何本か出てきて、木陰を作ってくれています。当初私達が予想していた以上の成長ぶりです。後50年もすれば、胸高直径2mを越す大樹が200本以上生育し、恐竜が歩いていた太古の森の様相を再現してくれている事でしょうから、その様な光景はきっと50、100年後の人たちに感動を与える事と思います。

 そうして、この大木の様相は、人々に安らぎを与えてくれるでありましょうし、訪れてくれた人へ感謝し、お客様の幸せを願うと言う、創業時の願い「訪れる人に安らぎを、去り行く人に幸せを」(現在、郡上八幡自然園の正門、門柱に掲示してあります。)は、これからも入場者を迎え、創業時の願いが、忘れられず、引継がれて行く事と思います。


 現代の経営・経済学は、如何に利益を上げるかをベースに構築されていますが、郡上八幡自然園の経営理念は経営・経済学から全く逸脱し経済学者先生から失笑されることでしょうが、独自の経営方針を貫いています。次に、概略を記しますので、笑いのネタにして下さい。


① 大資本経営の逆を行く
 先述の様に、お金では作る事の出来ない、大木を育て、地元の素材を使い、時間をかけた手作りの施設等、大量生産製品は極力避けています。
② 社会に必要とされるものを提供する事に専念
 求められているものは何か、その中で、自分達に出来る事を常に探しています。
③ 環境保全に配慮
 利用者が増加しても、排出する焼却ゴミは半減しています。
分別することにより、焼却ゴミを60%減少出来ました、又園内で使用した水は総て浄化し、汚水は排出していません。浄化施設は県条例が出来る以前から、自主的に施設を建設しています。
④ 売上高より、如何に満足して頂けたかに気を配っております。
 お客様はもとより、働いている人たち、出入りの業者に、如何に安心して、喜んで頂けるかを目指しています。
キャンプ場は、個人客から団体と様々なお客様の利用がありますが、夫々の目的が違うため、総てのお客様を同時に満足して頂く方法は見つける事はとても困難です。
 そこで、最も安心、安全の内でご満足頂くには、客層の分離、個人と団体は、日を別にして使って頂いています。
空き棟があっても、同類客様以外はお受けしない、売上げを増すより、トラブルを無くした方が良いと考えております。
⑤ 宣伝費は殆んど使わない(使えないのかも?)
 現に利用して頂いているお客様を大切に、使用料に宣伝費を上乗せするよりも、宣伝費を掛けない分、割り引く方が、お客様に喜んで頂けると思っています。
 設備の改善、改良は常に行っていますが、価格転嫁を極力避けて来ています。
⑥ 営業マン無し
 郡上八幡自然園の営業マンはお客様です。
営業部門は、お金を頂いたお客様に無料でお任せしています。
皆様のお陰で、来年度も多くのご予約を頂いております、有難い事です、このご期待に沿えるよう、来年は、今年以上きっとご満足頂けるよう取り組んでいます。ご恩返しです。
⑦ 郡上八幡自然園は若者+高齢者+婦人層の緩やかな集合体です。
 野外活動の案内・企画は全国区の若者による組織が担当しています。
施設の維持管理はシルバー会員により、安全と清潔が維持されています。
食堂の調理は地元の料理好きのお母さん?(おばさん)達です。
⑧ 経営は誠実に、秘密なし
 経理は基より、施設、衛生面等、監督官庁の指導以上に整備する様、配慮しています。
 秘密が無く、明朗な環境は、総てがスムーズに運営出来、余分なエネルギーが要りません。

この様な思想の会社は少数派と思います。
社会の基軸が、「お金」から、「心」へ推移し、我社と同類項の会社の数が増し、社会に台頭して来る時代の到来を待ちながら、ゆっくりと歩んで参ります。

平成18年秋